甲子園高校野球春は選抜から

歴史と伝統の重みを感じてしまいます。
よく知られたキャッチフレーズが見られる一方で、春の選抜大会歌は
いまひとつ一般的になっていない。

「今ありて」、作詞が阿久悠、作曲が谷村新司と作者の知名度は
高いに関係なく、夏の選手権大会歌「栄冠は君に輝く」と比べてみて、
曲自体の知名度はずいぶん低くなる。

阿久悠と言えば、夏の甲子園期間中にスポーツニッポンに寄稿しておりました
名文『甲子園の詩』のイメージが強いけれども、どっこい、
春の選抜大会の『今ありて』の方が結びつきが長いと思います。

入場行進曲の方が反響を呼んで、『今ありて』は、3代目の選抜大会歌。

1993年の第65回記念大会から採用され、この大会では開会式の
入場行進曲においても採用されます。

その以前の選抜大会歌は「陽は舞い踊る甲子園」。

キャッチフレーズと同様の1934年に誕生し、戦争が原因の中断を挟み、
60年に渡って愛された曲。

「栄冠は君に輝く」は誕生からいまでは70年。
「今ありて」との知名度の差は歴史の長さが。

また、選抜大会の曲と言ったら、大会歌以上に、前年ヒット曲が採用される
入場行進曲が話題に上がりやすい。

これについてもまた、「今ありて」の存在感を弱めていると考えられる。

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何と坂本九さんの歌から5曲も

入場行進曲に前年のヒット曲を採用するようになってきたのは、
1962年の春第34回選抜大会からで、このときは、坂本九さんが歌う
世界的ヒット曲「上を向いて歩こう」。

以降は、50曲以上が春のおとずれろを奏でてきたこととなるが、
驚きですが、際立って多くの曲が採用されたミュージシャンも坂本九さんです。

「上を向いて歩こう」以外に、「幸せなら手をたたこう」(1965年)、
「ともだち」(1966年)、競作の「世界の国からこんにちは」(1967、1979年)と、
この時代の春選抜大会は、坂本九さんとともにあったのです。

2002年の「明日があるさ」は、ウルフルズにおいてのカバー曲だけれど、
元をたどれば坂本九さんのヒット曲。

「今ありて」は、第65回記念大会以外に、2018年の第90回記念大会でも
春選抜大会入場行進曲に採用されています。

今一度、この名曲にも光が当たらんことを!

水島漫画リアル版「ドカベン」「球道くん」が甲子園球場を沸かせる

漫画家・水島新司氏が日本の野球文化にもたらした功績は計り知れないものがあるのです。

野球解説者のコメントで、
「ドカベンにそっくりのプレー」「ドカベンだってこんなシーン描けない」というような
フレーズを聞かれることもそれほど珍しいことではないでしょう。

それほど水島新司漫画の影響を濃く受けた2人の高校球児が、同時期に甲子園球場を
賑わせたことがあったのです。

「ドカベン」は浪商・香川伸行捕手

水島新司漫画の代表作品と言うなら、『ドカベン』。

この主人公・山田太郎君と同じ巨体、キャッチャー、スラッガーというふうな
特徴から、ズバリ「ドカベン」の異名で呼ばれたというのが、
1978年春選抜大会、翌年1979年の春、夏選手権大会、計3度出場した
大阪の名門・浪商(現大体大浪商)の香川伸行捕手。

エース・牛島和彦とのバッテリーは、戦後最強のコンビとも呼ばれる。

1979年春第51回選抜大会では、初戦でバックスクリーンに飛び込む、
飛距離130メートルの特大アーチ。

92キロの巨体をゆすりダイヤモンドを一周する姿は非常に人気を集めました。

香川伸行捕手は、準決勝でも大会2本目のホームランを含む3安打の活躍。

決勝では箕島(和歌山)との打撃戦の前に1点差で敗れたが、香川自身は、
2安打2打点と気は吐く。

ラストの夏、第61回選手権大会では2回戦から。

準々決勝まで甲子園球場新記録となる3試合連続ホームラン。

浪商は準決勝で敗れてしまったが、香川伸行捕手は、3連発と春に打った
2本塁打で、甲子園球場通算を5本とし、1920年代に山下実(第一新港商)が
樹立した通算4本を抜く新記録を達成する。

清原和博(PL学園/大阪)に抜かれるまで、甲子園高校野球史上最強の
ホームラン打者でした。

「球道くん」は高知商・中西清起投手

水島新司漫画の他の代表作『球道くん』のタイトルがニックネーム
になったというのが、主人公の豪腕投手、中西球道と一緒の姓を持つ、
高知商(高知)のエース・中西清起。

甲子園高校野球初登場は、1年生であった1978年夏第60回選手権大会の
控え投手の立場ですが準決勝を経験します。

1979年春選抜大会では、ドカベン・香川伸行捕手のいた浪商と
対戦することになりますが、中西清起投手に登板機会がないですし、
ドカベン vs 球道くん対決は伝説に。

チームも負けているのです。
しかしながら、最終学年で迎えた1980年春第52回選抜大会では、
大会屈指の右腕の前評判にふさわしい迫力いっぱいのピッチング。

一回戦から決勝まで5試合を1人で投げ抜き、高知商に初優勝をもたらす。

『球道くん』で中西球道が優勝した唯一の大会も春選抜大会です。

1920(大正9)年
第6回選手権大会優勝 関西学院中(兵庫)

1934(昭和9)年
春第11回選抜大会優勝 東邦商(愛知)
夏第20回選手権大会優勝 呉港中(広島)

1962(昭和37)年
春第34回選抜大会優勝 作新学院(栃木)
夏第44回選手権大会優勝 作新学院(栃木)

1965(昭和40)年
春第37回選抜大会優勝 岡山東商(岡山)
夏第47回選手権大会優勝 三池工(福岡)

1966(昭和41)年
春第38回選抜大会優勝 中京商(愛知)
夏第48回選手権大会優勝 中京商(愛知)

1967(昭和42)年
春第39回選抜大会優勝 津久見(大分)
夏第49回選手権大会優勝 習志野(千葉)

1970(昭和45)年
春第42回選抜大会優勝 箕島(和歌山)
夏第52回選手権大会優勝 東海大相模(神奈川)

1978(昭和53)年
春第50回選抜大会優勝 浜松商(静岡)
夏第60回選手権大会優勝 PL学園(大阪)

1979(昭和54)年
春第51回選抜大会優勝 箕島(和歌山)
夏第61回選手権大会優勝 箕島(和歌山)

1980(昭和55)年
春第52回選抜大会優勝 高知商(高知)
夏第62回選手権大会優勝 横浜(神奈川)

1993(平成5)年
春第65回選抜大会優勝 上宮(大阪)
夏第75回選手権大会優勝 育英(兵庫)

2002(平成14)年
春第74回選抜大会優勝 報徳学園(兵庫)
夏第84回選手権大会優勝 明徳義塾(高知)

2018(平成30)年
春第90回選抜大会優勝 大阪桐蔭(大阪)
夏第100回選手権大会優勝 大阪桐蔭(大阪)

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